おはようございます。
《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。
今年の春頃から「罠にかかった犬が、ワイヤーを足に絡ませたままウロついている」という情報がネットに載りはじめました。農家の方がイノシシに作物を荒らされるのを防ぐために仕掛ける罠で、輪になったワイヤーに足を踏み込むとワイヤーが締まるようになっており、「くくり罠」と呼ばれているものです。
これにかかってしまう野良犬がいて、「痛そうに悲鳴を上げている」「何とか助けてあげられないか」と言う声がSNSで拡散され、大きな問題になりました。
私たちは昨年の暮れ頃この問題に気づきました。シェルターには、犬の鳴き声や餌の匂いに引かれて、いつも何匹かの野良犬たちが集まって来ていたのですが、その数が減って、いつも見かける野良犬の姿が見られないようになりました。
どうしたのだろう?と思いはじめた頃、シェルターの近くで、ワイヤーを引きずったままウロついている犬を目撃しました。右の前脚にワイヤーが巻き付き引きずっていました。見てすぐに罠にかかったと分かりました。足先はダラーンと垂れ、既に腐りかけているかも知れません。
一刻も早く捕まえて治療してやりたいと思ったのですが、近づくと片脚を引きながら逃げるので、容易には捕まりません。野良の成犬や成猫は警戒心が強く、私たちにもそう簡単には捕まえられないのです。
*~*~*~ 救助作戦 ~*~*~*
そこで皆で頭をひねって、捕獲作戦を立てました。
犬を追い込む金網の囲い(赤く図示)をつくり、その通路にイノシシ用の網を張り(黄色の線)、何人かでそこに追い込む・・・というものです。
しかし、この犬がシェルターに近づくのは夜で、金網やネットを警戒して現れず、また人手もなく、この作戦はうまく行きませんでした。
次に私たちは、農家に事情を話し、シェルターの周辺だけでも「くくり罠」を外してもらうようにお願いをしました。その代わりに畑の作物が荒らされないように、イノシシ除けのネットを青い鳥の費用で設置する、という条件で・・・。
*~*~*~ 行政への働きかけ ~*~*~*
その後、4月頃からネットに「ワイヤー犬」の情報が載りはじめ、防府市にもワイヤーを絡ませた犬が何匹かいることが分かりました。
早速、私たちは保健所と市の農林水産課に話をし、「くくり罠」に代わるものを使って頂けないかとお願いしました。・・・が、イノシシの罠には他に箱型の捕獲器もあり、これなら犬が入っても傷つけることはないのですが、1台数万円もするので何か所にも置くことは難しく、どうしても数千円のくくり罠を使うことになる、という現状を聞かされました。
行政で「くくり罠」を禁止するには議会を経なければならず、まだまだ時間がかかります。
またイノシシを獲る猟友会との連携が必要になり、猟友会にも協力を呼びかけました。
ワイヤー犬のことがネットで拡散されるに連れて、県外からも注目を集め、「保健所や市役所で罠を取り締まれ」という声や、中には「地元の動物愛護団体は何をしているのか」という批判も上がるようになりました。
青い鳥では以前にも「港の野良犬問題」で、催眠導入剤など安全性の高い薬品の使用を提案しましたが、これは他の愛護団体からネットで叩かれ中止した経緯があります。野良犬の捕獲は多くの難しい問題を抱えていて、一筋縄では行きません。
*~*~*~ 目の前にワイヤー犬が ~*~*~*