Storyスィートピー4.一瞬のアイスブレイク

おはようございます。

《あかるく、あいかつ、あおい鳥》

 

前回の「Story3.出会いのふしぎ」で

核心に触れていない、という思いが残っていました。

そこで もう少し踏み込んで書きます

 

*~*~*~ 昨年1116日 ~*~*~*

 

保健所から引き取り

子宮に癒着していた胎児の死骸を切り離すため

5時間の難手術に耐えて生き延びたメス犬。

青い鳥に来た時の写真には

首と背中に白い腹帯が写っています。

2~3歳くらいでしょうか。

年齢は分かりませんが白い花のように可憐な様子から

スィートピーと名づけました。

 

*~*~*~ それからの4か月 ~*~*~*

 

その儚(はかな)げな名前の陰に

どんなに深い悲しみを秘めていたのでしょう。

シェルターに来てからずーっと部屋の片隅で

ひっそりと座っているだけでした。

 

そして4か月が過ぎても片隅でじっとしていました。

今になって思うと「何かを待っていた」ような気がします。

そんなふしぎな雰囲気をたたえた子でした。

 

 

*~*~*~*~ そして23日 ~*~*~*

 

待っていた人が、とうとう現れました。

 

その人が「うちに来る?」と声をかけると
言われるままに自分からバリケンに入ったのです。
 
 
*~*~*~ アイスブレイク ~*~*~*
 
これまでの170を越えるStoryの中で
「アイスブレイク」という言葉を何度か使いました。
 
(この言葉は場の雰囲気や人間関係の緊張を
一瞬で解きほぐすジョークや話題のテクニック
について話されることが多いのですが)
このブログでは
人間に慣れていない野良や 人間に虐待された犬猫の
氷のように閉ざした心を
シェルターのスタッフが語りかけふれ合い
何か月もかけて徐々に溶かす場合に使いました。
 
しかしスィートピーと優李阿さんの出会いは
一瞬にアイスブレイクを起こしたようです。
人に尻尾を振ることもなく片隅で固まっていた犬が
初対面の人の言葉を理解したかのように
自分から進んでバリケンに入りました。
 
私は神秘主義者ではありませんから
運命とか何者かの導きとか 言うつもりはありません。
ただ
人間の数千倍ともいう嗅覚を持ち
人間には聴き取れない高周波数の音をキャッチし
何百キロも離れた家に帰りつく帰巣本能や
ある種の予知能力や第六感
・・・これらを備えている犬族のことですから
あの日 起こった出来事に
真摯に向き合おうとしているだけです。
「何かを待っていた」ような気がすると前述したのは
こうした動物の特殊能力のことが頭にあったからです。
 
 
*~*~*~ あなたの心に何が? ~*~*~*
 
その日の夜
優李阿さんからメールが届きました。
📧
今日はありがとうございました。
スイトピーちゃんはケージに入って落ち着きました。
様子みますね。
少しづつ慣れるように頑張っていきます。
 
2枚の写真を見較べて下さい。
左・シェルターにいた時のどこも見ていないような目(放心)と
右・きちんと何かを見ている目(意志)と。
わずか1日で起きた変化です。
 
「あなたの心に何が起きたの?」
とスィートピーに聞いてみたい。
 
最終回に続く・・・
 
*~*~*~*~*~*~*~*~
 
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