おはようございます
《あかるく あいかつ あおい鳥》
5月18日か19日に
シェルターでひっそりと息を引き取った
老犬のことを話したいと思います。
前日の深夜か発見した日の早朝か
呼吸が止まった時間は誰も知りません。
朝方スタッフが老犬舎を見に行くと
既に冷たくなっていました。
前日18日は夕方からの大雨で
シェルターの床が水浸しとなり
スタッフは排水や濡れた新聞紙の交換に追われ
老犬の急変に気がつきませんでした。
里親さんに巡り会うこともなく
シェルターで犬猫が亡くなると
いつも思うことがあります。
それはブータンの野良犬・猫のことです。
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’15/12/24のブログ
で紹介しています。ぜひご覧ください。
ブータンではGNP(国民総生産)よりも
GNH(国民総幸福量)を大事にしていることで有名です。
もともと仏教国ですから殺生を嫌い
野良の犬猫でも住民から餌をもらい
のんびりと暮らしているそうです。
そして人間だけでなく犬猫・牛馬も治療費は無料
もちろん野良の治療、避妊・去勢手術も無料です。
添付されていた写真を見ると
お城を背景に野良犬たちがのんびりと伏せています。
「えっホント?」と思いネットで検索してみると
確かにわんちゃんたちが
安心して道路や建物の前に
寝転がっている写真がいっぱいありました。
「餌をやるな」「殺処分だ」とヒステリックに叫んでいる
どこかの国とは大違いですね。
同じ仏教国なのに・・・。
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この老犬がシェルターに姿を見せるようになったのは
今年の3月初め頃でした。
あばら骨が見えるほどに痩せ細り
食べものを求めてやって来たようです。
シェルターの敷地にはよく野良犬が餌を求めてやって来ます。
かれらにとっては、ここはブータンのようなものです。
青い鳥ではこの老犬をくーちゃんと呼び餌をやりましたが
歯が悪いのか硬いものは食べられないようで
いかにも体調が悪そうでした。
そこで缶詰めのドッグフードや
パンをミルクでふやかして上げたりしていました。
早く保護して獣医に診せたかったのですが
野良を捕まえるのは容易ではありません。
そしてひと月ほど経った4月5日に
ようやく保護することが出来
病院に連れて行きました。
診察すると口の中の上に大きな腫れがあり
奥まで穴が頭に向かって開いていました。
口腔癌のようです。
手術しても回復は望めないし高齢で体力もないので
歯の汚れを取り口を清潔にして
抗生剤で様子を見るなど最小限の処置しか出来ませんでした。
またフィラリアも末期で、他にもまだ病気が見つかる可能性がありました。
まさに満身創痍のひどい状態でした。
この子を「夕陽」と名づけ老犬ホームに入れました。
4月18日
口からよだれと一緒に血も混じるようになり
病院に連れて行きましたが
医師からは「これ以上打つ手がない」と言われ
少しでも痛みを減らし、楽に過ごせるように工夫をして来ました。
夕陽は青い鳥に保護されるまで
いったいどれほどの苦労をして来たのでしょう。
最後だけでも幸せに過ごさせてやりたいと
柔らかく美味しい食べ物を与えるようにして来ましたが
食欲もなくなり、じっとして動かず
寝ていることが多くなりました。
5月15日
みんなで夕陽を温水シャワーのお風呂に入れて上げました。
たぶん生まれて初めてのお風呂は
(そして最後になってしまったけれど)
気持ちよかったかなぁ。
5月19日
そして夕陽は天国へ旅立ちました。
夕陽はその名の如く
落日のようにひっそりと逝きました。
青い鳥で保護してからひと月半ほどの短い命でしたが
「夕陽は幸せだったろうか」と
いつものようにブータンの
あの伸びやかな野良犬たちの姿を思い浮かべています。
夕陽の死を知ってボランティアさん達から
さまざまなメッセージが寄せられました。
その中にこんなコメントがありました。
夕陽はシェルターを死地に選んでくれたのかも知れませんね。
日々シェルターから優しいオーラを感じ取っていたのでしょう。
最後は名無しでも家無しでもありませんでした。
身体を洗ってもらい、天寿を全うしたんだと思います。
そうだと良いのですが・・・
夕陽、次はブータンに生まれておいで。
いいえ、そうではない。
君が次に生まれて来るまでに
日本をブータンのようにしておくために
頑張るからね。さようなら。
きっと夕陽を見るたびに
君のことを思い浮かべるよ。
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