Storyゆり1.見送りは涙とともに

おはようございます

《あかるく あいかつ あおい鳥》

 

9月26日 6:30AM

山口県宇部空港

 

朝夕はめっきり涼しくなった。

北向きの風がやや強まって来たが

7:45羽田行きのフライトは予定通り。

 

2・5歳のメス犬

黒いロン毛の「ゆり」を

送り出す準備に追われていた。

 

シェルターから1時間ほど車に揺られ

空港で計量と手続きをする間

不安で排尿・脱糞をする犬が多い。

そのため前夜の食事は抜きにする。

でも「ゆり」は落ち着いていた。

 

これまでに辿って来た変転に較べれば

「何のことがあろう」といった顔つきで・・・。

 
思えばこの空港から
これまで何匹の犬や猫を遠方に送って来ただろう。
「犬猫を荷物扱いで送るなんて」
といった批判も耳に入って来る。
でも、シェルターでいつまでも暮らすよりも
新しい家族が待っている地に向かう
幸せへの旅ならば
なんで空輸をためらう必要があるだろう。
 
ともに暮らした日々を思い出しつつ
「幸せをつかむんだよ」と語りかけ
涙とともに送り出して来た。
 
***********
 
ゆりは’15年3月、港で
母犬と6匹の兄妹と一緒に保護されました。
👇これがお母さん やはりよく似ていますね。
 
そして4月26日に譲渡されて行きました。
まだ2か月のコロコロの子犬でした。
 
譲渡して3か月後に届いた
里親さんからのお便りが残っていました。
📧
名前は「ゆりちゃん」になりました。
川でたくさん遊ぶ子です。
でもその後のお風呂はキライです。
何でも興味があり、おてんばになってます。
どうすれば良いでしょうか?
森の中では虫にすぐ反応し、耳がすごい良いです!
ここでは、町では出来ない事を沢山経験できると思います。
川が大好きなので、これからも遊び疲れて眠ってほしいです。
夜さみしいって鳴いてるから。
 
その後お便りはありませんでしたが
2年後に突然電話がかかって来ました。
 
飼い主が
「仕事が変わって夫婦で寮に入ることになり
飼えなくなった。
もう引っ越しの準備をしているので
2~3日中に引き取ってほしい。
それが駄目なら保健所に連れて行く」
と言うのです。
 
人生に変転があり やむにやまれぬ
事情が生じることもある。
それは分かりますが
いつも犠牲になるのは動物たちです。
子犬の時から2年以上ともに暮らした愛犬を
保健所に連れて行く
というのはどう考えても理不尽です。
 
やむを得ないので
引っ越しの当日に引き取りに行きました。
既に家財は全てトラックに積み込まれ
飼い主は「お願いします」と言って
ゆりのリードを手渡し去って行きました。
 
あとに残されたゆりは
トラックの走り去った方向を見つめ
どうしても家を離れようとしません。
もう帰ってこない飼い主を
待ち続ける姿が哀れでした。
 
そして青い鳥に戻って来ました。
’17年6月27日です。
スタッフも居合わせたボランティアさん達も
2年ぶりに戻ってきたゆりに
「お帰り」と声をかけました。
とても人なつこい子で
パタパタと尻尾を振る姿が哀れです。
 
犬は言葉をしゃべれないけれど
飼い主に捨てられた悲しみを
じっと耐えている姿が私たちの涙を誘いました。
 
それから1年3か月のあいだ
ゆりは他の仲間たちと
シェルターで過ごしました。
人にも犬仲間にもフレンドリーで
じっとこちらを見つめる目が
いつも人間たちに何かを
語りかけているようでした。
 
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