StoryマリⅡ,5.風がたてがみを揺らしても

おはようございます

《あかるく あいかつ あおい鳥》

 

あれから1年半が過ぎました。
飼い主さんからは何の連絡もありません。
マリⅡは他の80匹の仲間と一緒に
6月に新シェルターに引っ越して来ました。

木立に囲まれた素敵なドッグラン。

マリⅡもここが気に入ったようです。

スタッフやボランティアさんにも

すっかり慣れ こんなに甘えています。

きっと飼われていた頃には

こうして遊んでもらっていたのでしょうね。

前回のブログでも書いたように

過ぎ去った過去や まだ来ない未来を

あれこれ思って一喜一憂するのは

人間だけ。

動物たちはいつだって

「いま、ここ」を一生懸命生きています。

 

禅の修行をしたお坊さんでも

なかなか到達できない“悟り”の境地を

易々と 楽々と  生きている。

そんな動物たちのスッピンの生を

マリⅡも私たちに見せてくれます。

 

そして人間にもまた

“外見なんてこだわらない”

ステキな人がいます。

 

今年8月12日

 

マリⅡがトライアルに向かいました。

「この子を引き取りたい」というご要望で。

顔にもようやく毛が生え始めました。

まるで生きる意志を示す

たてがみのようです!

逆境にめげず

いつも前向きに生きるマリⅡの

たてがみを揺らして

幸運を運ぶ風が吹いたようです。

 

10月4日

 

が・・・

約2か月後にマリⅡは戻って来ました。

詳しいことは話せませんが

里親さんには何の落度もない
ある事情によって帰って来ました。
 
人間社会のさまざまな思惑や気まぐれが
再び冷たい風となってマリⅡに吹き付けました。
でも・・・
きみならきっと乗り越える。
また新しい風を呼ぶはずだよ。
そう願った通り また風が吹きました。
 
シェルターに戻ってひと月も経たないうちに
福岡県の方から
マリⅡに里親が見つかるまで預かりたい
という申し出がありました。
 
10月31日
 
そのお宅には先住の猫が2匹います。
慣れるまでしばらくは
室内のケージで過ごしますが
庭にも出られるように
スロープまで用意されていました。
お散歩用のレインコートも用意されていました。
早速お風呂に入ってご機嫌のマリⅡ
慣れないお家なのに ご飯も完食しました!
Tomorrow is anotherday
明日は明日の風は吹くわ。
そうです このポジティブな姿勢が
マリⅡの特長であり 魅力なのです。
この世の風の吹きようで
右に左に動かされても
きみは気にしない。
マリⅡ
たてがみも立派に生えて来たね。
風がどんなに吹いて来ても
そのたてがみをなびかせてノンシャラン!
風に吹かれて立つきみの姿勢に
これまでにどれだけ
勇気をもらったことだろう。
 
続く・・・
 
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