Story老犬チャチャ②港のボスの最期

度重なるCFにもかかわらず

全国から熱いメッセージとともにご支援を賜り

誠にありがとうございました。

お陰さまでこの資金で

年末を乗り越えることが出来ます。

殺処分ゼロ維持も継続して頑張ります。

またの機会にこころより

御礼の気持ちをお伝えいたしますが

先ずはご報告申し上げます。

 

チャチャの診断の結果

「多臓器不全ですべての臓器が

通常より2~3倍も数値が悪く
特に肝臓と腎臓がボロボロです。

すでに重度の黄疸が出ているので
これでは気分が悪くて

ご飯を食べる気にならないのは当然です。

ですから 点滴や抗生剤等の

負担のかからない処置だけをして

後はもう シェルターで短い余生を
少しでも幸せに送れるようしてはどうでしょう」
・・・と医師からアドバイスされました。

 

チャチャを病院に運び込んだ時に

バリケンを一緒に抱えて下さった女性がいました。

診察室でも

「チャチャ大丈夫」「チャチャ大丈夫よ」

と何度も声をかけ続けていたMさんです。

 

Mさんはチャチャがシェルターに来てから

毎日様子を見に来て下さいました。

そしてチャチャの来歴を話してくれました。

 

~Mさんのはなし~

 

チャチャはね 港の野良犬だけど
長い間ボスの座についていた子なの。

港には幾つかの野良犬グループがいるけれど

チャチャが率いるグループは数も多く

一番大きな集団だった。

その中でボスになるには

もちろんそれなりの素質が必要だけど
チャチャは身体が大きく強いだけでなく

とても優しい性格だったわ。
どんな子も群れに受け入れてやり

みんなから尊敬され慕われていた。

だから港で一番のグループになれたのね。

長いことボスを続けていたけれど

年齢とともに体力が衰え

やがて若いオスに

ボスの座を取って代わられた。

世代交代は仕方がないことよね。

 

でもね

人間の社会ではトップを引いても

長老として敬われたりするけれど

強さが勝負の動物の世界では

一旦ボスの座を奪われると哀れだわ。

 

これまで格下だった犬からも

邪険にされ群れを追われるようになった。

ご飯を食べるだけでも

若い他の犬から襲われたりしてたわ。

でも 茂みの中に隠れたりして暮らしてた。

 

ふつう野良犬の寿命は

5~6年って言われてるけれど

チャチャ いったい幾つだと思う?
17歳よ。ね、すごいでしょ。

ボスになる体力だけでなく

きっと長く生きぬく知恵も備えていた。

本当に凄い犬よね!

でもこの数年は
いつも茂みの中などに隠れていて

私たちが上げる餌で

生き延びて来たのだけれどね・・・

よほど体調が悪くなったのか

工場の敷地内で身動きが取れなくなり

うずくまっているところを

保健所に保護された・・・というわけ。

 

 

Mさんには保健所からの引き出しと

病院での検査に同行して頂きましたが

長年餌をもらっていたMさんがいるので
チャチャは病院でも

バリケンから自分で出て来るなど

Mさんに全幅の信頼を寄せているようでした。


野良でも信頼する人には甘えて言うことを聞く。

その体をしっかりと抱きしめ

安心させようと名前を呼び続ける

Mさんの深い愛情にも打たれました。

 

こうしてチャチャは青い鳥に来ました。

しかし長い間の隠れ生活と高齢で
からだがもはやボロボロ。

よく生きて青い鳥にたどりつけたと思います。

できるだけ安らかに過ごせるようにし

看取ってやろうと話し合い

Mさんも毎日チャチャに

会いに来て下さいました。

 

しかし引き取って2日後の9月11日 朝。

スタッフがケージを覗くと

既に亡くなっていました。

花で荘厳したチャチャの顔は穏やかでした。

かつてのボスらしい最期だったのかもしれません。

 

チャチャが逝ってからも

感動的な出来事がありました。

 

 後日譚 

 

よしみ:チャチャが逝ったと知った方が

チャチャの霊前に備えて下さい

とドッグフードを持って来られました。
また、その日の午後には別の方が

チャチャに供えてあげてください

とお花を持ってこられました。
「チャチャのお墓はありますか」

と問い合わせもありました。

野良でも皆に好かれていたのですね。

チャチャは、青い鳥の仲間も眠っている

合同墓地でゆっくり休んでいます。


今頃、「俺は、港のボスだったんだ」

って自慢話してるかもですね。

ずっと見守ってこられたMさんと

一緒にお見送りしました。
Mさんはチャチャの遺骨を少し持って帰られ

今もずっと持ち歩いておられるようです。
チャチャのことをいつも気にして

探して歩いておられたので

保健所に収容されていると知った時には

ホッとするのと同時に

お疲れも出て少し体調を崩されたようです。

今も遺骨を持ち歩いている

――この話には涙が出ました。

人間の家庭に迎え入れられたことは

一度もありませんが

17年ものあいだ野で生き続け
みんなに愛されたチャチャ。
見事な生涯でした。合掌。

 

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