おはようございます。
《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。
よく「動物には心がない」と言う人がいます。
とんでもありません。
私たちが喜べばかれらも喜び
悲しめばいっしょに悲しむ。
時には人間以上にデリケートなんです。
そんないじらしい犬や猫に
私たちは毎日接しています。
ここに登場する「はな」も
まるで流れに漂う花のように
どことも知れず運ばれて行きますが
やさしい心を失くさない女の子なんです。
●7月 ― はな少女に出会う ―
3か月待ちわびた飼い主さんからの
お迎えはなくなりました。
スタッフやボランティアさんたちの
がっかりした気持ちが伝わったのか
その時から はなの背中に
皮膚炎による脱毛が見られるようになりました。
動物の勘は本当に凄いものです。
獣医に診てもらい塗り薬をすり込むことにしましたが
症状が治まるまでにだいぶ時間がかかりました。
それだけ「はな」にもストレスがあったのでしょう。
そんな時に青い鳥が防府市の養護施設で
「ふれあい教室」を開くことになり
はなも連れて行きました。
そこで出会ったある少女に
はなは始終くっ付いて離れようとしませんでした。
こんなふうにビトーっと。
きっと前の飼い主の娘さんを思い出したのでしょう。
やはり家族と離れて寂しい思いをしていたのです。
そんな姿に私たちは涙を誘われました。
「きっと女の子のいる里親さんを見つけてやろう」
と思ったものです。
●8月 ― シェルターのアイドル ―
それでもはなは
とても社交的で元気いっぱいの女の子でした。
子犬はすぐに里親さんが見つかるので
シェルターに残っているのは成犬ばかりです。
そんな中でもう4か月もいるはなの無邪気さは
心を閉ざしがちな成犬たちを和ませていたのでしょう。
人間も動物もおんなじですね。
夏の盛り。
たらいプールで水浴びを楽しんでいます。
ひとみ・はな・マリ。
シェルターの仲良し女子会チビーズ!
人間にはなかなか心を開かない
野良出身の成犬たちにも
おだやかで明るいはなは人気があります。
●9月 ― 里親希望者が ―
前の飼い主が引き取れないことが分かってから
はなは里親様の募集を再開し
2件の里親希望様と交渉をしました。
◆1件目は母子とお婆ちゃんの三人家族で
8月にシェルターに見にいらして
トライアルするところまで話が進みましたが
お子さんのアレルギーがひどくなって断念されました。
◆もう1件の希望者は6人家族でした。
ご祖父母がはなをとても気に入られ
「はなが慣れてから迎え入れたい」とおっしゃり
何度もお二人でシェルターに足を運んでは
ふれあいを重ねていました。
8月~11月まで
8回もシェルターを訪れて写真のように接していましたが
最終的に「ご家族全員の同意」が得られず
キャンセルになりました。
4月に飼い主さんより預かってから
はなは待たされてばかりです。
挙句の果てにキャンセル。
はなは間もなく1歳になります。
子犬・子猫にばかり人気が集まる日本で
成犬・成猫の譲渡は難しくなるのが現実です。
不運というよりも
人間の都合で振り回されてばかり。
はなにしてみれば
「ワタシの春を返して~」と言いたいでしょう。
私たちも落胆しました。
でも そんな気持ちをはなに悟られないよう
心機一転で「花」と改名し
また新たな気持ちで里親募集を始めました。
こんなふうに・・・
【里親募集中】
花ちゃん(メス)11か月
ワクチン、狂犬病ワクチン、避妊済み。
シェルターで一番心優しく
お座りや待てのできる花ちゃん。
もうすぐ1歳になります。