Storyはな 2.流れに漂う花

おはようございます。

《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。

 

よく「動物には心がない」と言う人がいます。

とんでもありません。

私たちが喜べばかれらも喜び

悲しめばいっしょに悲しむ。

時には人間以上にデリケートなんです。

そんないじらしい犬や猫に

私たちは毎日接しています。

 

ここに登場する「はな」も

まるで流れに漂う花のように

どことも知れず運ばれて行きますが

やさしい心を失くさない女の子なんです。

 

 

月 ― はな少女に出会う ―

 

3か月待ちわびた飼い主さんからの

お迎えはなくなりました。

スタッフやボランティアさんたちの

がっかりした気持ちが伝わったのか

その時から はなの背中に

皮膚炎による脱毛が見られるようになりました。

動物の勘は本当に凄いものです。

獣医に診てもらい塗り薬をすり込むことにしましたが

症状が治まるまでにだいぶ時間がかかりました。

それだけ「はな」にもストレスがあったのでしょう。

 

そんな時に青い鳥が防府市の養護施設で

「ふれあい教室」を開くことになり

はなも連れて行きました。

そこで出会ったある少女に

はなは始終くっ付いて離れようとしませんでした。

こんなふうにビトーっと。

きっと前の飼い主の娘さんを思い出したのでしょう。

やはり家族と離れて寂しい思いをしていたのです。

そんな姿に私たちは涙を誘われました。

「きっと女の子のいる里親さんを見つけてやろう」

と思ったものです。

 

月 ― シェルターのアイドル ―

 

それでもはなは

とても社交的で元気いっぱいの女の子でした。

子犬はすぐに里親さんが見つかるので

シェルターに残っているのは成犬ばかりです。

そんな中でもう4か月もいるはなの無邪気さは

心を閉ざしがちな成犬たちを和ませていたのでしょう。

人間も動物もおんなじですね。

 

夏の盛り。

たらいプールで水浴びを楽しんでいます。

ひとみ・はな・マリ。

シェルターの仲良し女子会チビーズ!

人間にはなかなか心を開かない

野良出身の成犬たちにも

おだやかで明るいはなは人気があります。

 

月 ― 里親希望者が ―

 

前の飼い主が引き取れないことが分かってから

はなは里親様の募集を再開し

2件の里親希望様と交渉をしました。

 

1件目は母子とお婆ちゃんの三人家族で

8月にシェルターに見にいらして

トライアルするところまで話が進みましたが

お子さんのアレルギーがひどくなって断念されました。

 

もう1件の希望者は6人家族でした。

ご祖父母がはなをとても気に入られ

「はなが慣れてから迎え入れたい」とおっしゃり

何度もお二人でシェルターに足を運んでは

ふれあいを重ねていました。

8月~11月まで

8回もシェルターを訪れて写真のように接していましたが

最終的に「ご家族全員の同意」が得られず

キャンセルになりました。

 
11月 ― はなから花に改名 ―
 

4月に飼い主さんより預かってから

はなは待たされてばかりです。

挙句の果てにキャンセル。

はなは間もなく1歳になります。

子犬・子猫にばかり人気が集まる日本で

成犬・成猫の譲渡は難しくなるのが現実です。

不運というよりも

人間の都合で振り回されてばかり。

はなにしてみれば

「ワタシの春を返して~」と言いたいでしょう。

私たちも落胆しました。

でも そんな気持ちをはなに悟られないよう

心機一転で「花」と改名し

また新たな気持ちで里親募集を始めました。

こんなふうに・・・

 

【里親募集中】

花ちゃん(メス)11か月

 ワクチン、狂犬病ワクチン、避妊済み。

シェルターで一番心優しく

お座りや待てのできる花ちゃん。

もうすぐ1歳になります。

 

 
続く・・・

 

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