こんにちは。
《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。
保健所から青い鳥に引き取られ
シェルターで50日ほど過ごしたまゆですが
野良だった頃のまゆを知っていて
「ぜひ里親に」という方がいらっしゃいました。
まゆはたぶん根っからの野良育ちですから
そのまま飼うのは難しいだろうと思い
人とふれあって慣れさせるために
しばらく青い鳥で世話をしていました。
そして
「ぜひ年内に引き取りたい」とご希望され
ようやくトライアルに行くことになりました。
いつもの 悲しくも 嬉しい
お別れの時がやってきました。
???? トライアル 12月17日
リラックス:まゆちゃん、今からトライアルに行きます。
マキクリ:いよいよですか。寂しくなりますね。
リラックス:代表がまゆに言い聞かせています。
まゆちゃん いいわね
おとなしく言うことを聞いて
可愛がってもらうのですよ。
大丈夫
まゆちゃんは可愛いから
きっと気に入られて
お家の子になれますから。
マキクリ:まゆの眉が困ったちゃんになってる。トライアル頑張って。
yuki:まゆ、震えていたけど幸せになって~????
鋼:まゆが幸せになれますように????
emi:まゆ、がんばれ????????????
れいこ:まゆ、里親様は優しい人だから大丈夫だよ????頑張れ〜!
またどこかに連れて行かれるらしい。
おしっこをしないようにおむつを着けて
ケージに入れられ車に乗せられた。
車は街を走って行く。
右に曲がり左に曲がり
そのたびにからだが引っ張られるようで
吐きそうになる。
いつか病院に連れて行かれた時のように。
でも今度はがまんできた。
シェルターでずっと世話をしてくれた
やさしい人と いっしょだったから。
???? 懐かしい匂いと声がして
あ、この家・・・この声・・・
この手の匂いを知っている。
はっきりとおぼえている。
わたしはしっぽをふった。
人間に捕まって
母さんや仲間と 離されてから
はじめて懐かしい匂いをかいで
わたしはしっぽをふった。
まあ、こんなに人に慣れたのね。
あの人は私をぎゅっと抱きしめてくれた。
ちょっと怖かったけれど
もう逃げたりしない。
???? うちの子になろうね。
あなた いつも大きな犬達といっしょに
うちのお庭に餌をもらいに来てたでしょ。
うちの子にしたいと思っていたけれど
さわろうすると怖がって逃げてしまうから
どうやって捕まえたらいいのかわからなかった。
それで
青い鳥の清水さんに相談していた頃に
あなたが急に来なくなって
どうしたのだろう・・・って心配してたわ。
保健所に捕まって・・・
青い鳥さんが引き取って・・・
写真を見て あなただってわかった。
すぐにでも引き取りたい、って言ったのよ。
でも 人間に慣れていないから 飼うのは難しい
シェルターでいろんな人にふれ
心を開くようになってからにしたらどうか、って。
・・・やっと会えたね。
もう、うちの子になろうね。
あの人はぽろぽろと泣いた。
涙がわたしの顔に落ちて来て
困った顔をするものだから
今度は、あの人は、笑った。
わたしはますます困った顔で
あの人の顔をじっと見上げていた。
???? 老犬ライトの里親様
まゆを家に迎え入れて下さったのは
あのオムツをしてトライアルした
老犬ライト君の里親様です。
昨年11月末にStoryシリーズで
4回にわたって紹介しました。
1.最後のお散歩(11月21日)
2.幾つもの回想(22日)
3.おむつのままのトライアル(23日)
4.赤い靴と散歩(24日)
そしてライトのお話の時に既に
まゆのことも話されていたのでした。
(Story老犬ライト2.幾つもの回想より↓)
その方が仰るには・・・
自宅の庭によく顔を見せる野良犬が
何匹かいるんですが 保護して飼ってやりたい。
でも 離れて見ていると餌を食べるけれど
近づこうとすると ビクッとして逃げてしまう。
どうしたら捕まえられるでしょうか。
――という相談でした。
この時の野良の1匹がまゆらしいのです。
まゆは正式に譲渡が決まって
「コマーム」いう名前になりました。
珍しいお名前なので由来をうかがってみますと・・・
私の母が昔飼っていた柴犬が
マームという名でした。ママという意味です。
もうずいぶん前に亡くなりましたけれど。
私がまたこの町に住むようになってから
マームに似た野良犬が近所にいて
餌をもらいに庭に姿を見せていました。
懐かしくてマームと呼び
何とか捕まえて家の子にしたい
と思っていたのですが
いつの間にか姿を見せなくなりました。
まゆちゃんはそのマームが産んだ子らしく
よく似ているので
コマームと呼ぶことにしました。
動物に深い愛情を感じる方は
どなたの胸にも
かれらとの交流の思い出がありますが
野良の来歴は知りようもありません。
だからこそドラマを感じるようです。
この「Storyまゆ」は
「Storyライト」の続編としてお読み下さい。
これからも連綿と続く犬や猫のStoryを
せっせと綴って行きたいと思います。
もの言えぬかれらに代わって。