StoryマリⅡ,4.「一喜」しても「一憂」しない

おはようございます

《あかるく あいかつ あおい鳥》

 

2年4か月前に譲渡した犬が

飼い主さんのご事情で飼えなくなり

「ひと月ほど預かって欲しい」

という電話でのご依頼がありました。

声が緊迫していたので駆けつけて見ると

犬は皮膚病で見るも無残な状態・・・。

 

その場ですぐに病院に運び

ホルモン異常によるものではないかと診断され

治療を済ませてから青い鳥に連れて来ました。

昨年1月29日のことでした。

 

2月15日

 

その後も病院に通って治療を続けましたが

病理検査の結果が出ました。

ホルモン異常による全身皮膚の荒れの他に

真菌も検出され

移る可能性があることが分かりました。
病院で皮膚病専用のシャンプーをし
体中に薬を塗りました。
これからも毎日1回投薬が必要ですが
マリⅡに触れた手で他の犬に触れると
感染する恐れがあるので
触れた人は手洗いをする必要があります。
 
3月1日
 
週1回の割でマリⅡを病院で診てもらい
この日は何度目かの受診。
病院でお風呂に入れて専用シャンプーをしてから
全身に外用薬を塗ってもらいました。
「だいぶ良くなっている」とのことですが
まだ投薬は続けなければなりません。
 
飼い主さんが約束した「ひと月」は過ぎましたが
何の連絡もありません。
「生活保護を受けてアパートに移る」
とおっしゃっていたので
今後は中型犬を飼うのも
治療費を払って行くのも
難しいのではないかと危惧しました。
そこで敢えて
こちらから連絡することは差し控えました。
 
どうしても「マリと暮らしたい」
というお気持ちがあれば
連絡してくるはず。
それまでしっかり治療をして待とう。
それがマリⅡには最善の道と思ったのです。
マリⅡもスタッフに寄り添い
人なつこい性格を見せています。
 
昨年8月
 
青い鳥に来てから7か月。
スタッフにもボランティアさんにも慣れて
すっかり甘えるようになりました。

 

毛も少しずつ生えて来て
表情も落ち着いて来ました。
それにしても動物って凄いですね。
自分が重度の皮膚病で風貌が変わってしまっても
一向に気にするふうもありません。
飼い主さんがいなくなり
知らない人や犬たちの中に連れて来られ
全く知らない場所で暮らすことになっても
いじけた様子は見られません。
 
もちろん動物にも個性がありますから
一概には言えないのですが・・・
人間のように日々の出来事に
「一喜一憂」するふうはあまり見られません。
 
いや間違えました。
「一喜」するのはとても上手です。
日々の暮らしのささやかなことにでも
「こんなに喜んでくれるのか」と感動します。
 
一方ささいなことに「一憂」しない。
カラッとした大らかさはかれらの独壇場です。
 
だから私たちは動物と暮らすのでしょうね。
他のどの子もそうなのですが
マリⅡは人の世の数奇な運命に翻弄されながらも
人を信じ、人に寄り添う
持ち前の素直さと明るさが
余計私たちにそう感じさせるのかも知れません。
 
続く・・・
 
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