Story碧斗7. 喫水線の葛藤(ジレンマ)に揺れて

 

5月12日に逝ってしまった碧斗。

その急な別れに驚き 落胆し

今ようやくかれの死をふり返っています。

 

前編のStoryはこんなふうに終わりました。

👇

2月21日

 

碧斗♂推定10歳は体力が回復したので

織斗♂推定10歳と一緒に

mikaさんのお宅から青い鳥に移動しました。

ね、なんだか語りかけてくるようでしょ。

雄弁とは言葉の「数」じゃなく「重み」。

凍てつく路傍に棄てられ

生きぬいて来た 運も体力も強い子です。

コロナ禍で内向的な暮らしを迫られるなか

いのち輝くこの眼に

どれほど力づけられて来たかしれません。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~

 

織斗はやはりmikaさんが保護したオス猫で

mikaさんの家で世話をされていました。

この2匹が青い鳥に移動した理由は・・・

同じ頃にmikaさんがLINEに綴った文章に

彼女の切ない心情が表れています。

 

2月25日

 

mika:日曜日に 碧斗 織斗を 

シェルターに連れて行き 
火曜 木曜日 面会に行ってきました。


織ちゃんは

まだまだ身体も緊張からカチコチ😅
碧君はケージになれてきた様子でした。

青い鳥国衙スタッフさん達 

皆さん優しい方ばかりで 
感謝でいっぱいです。

スタッフさんから動画をいただき 

ありがたく何度もみています。
これから始まる子猫ラッシュ…

すまない 碧君 織君😭

 

mikaさんは柔らかな風貌ですが

その背筋にはビシッと魂が徹った

ゆるぎない動物愛護の人で

ご自宅には保護した子や

青い鳥から預かった子たちがいっぱいいます。

 

そのmikaさんが

春の子猫の出産シーズンを前にして

小さな命をいつでも迎え入れられるように

碧斗 織斗の2匹を青い鳥に移しました。

 

動物愛護活動は

数と質とのあいだで絶え間なく葛藤する

厳しい営みです。

1匹でも多くの命を救いたいと思う一方

収容スペースや経費は無限にあるわけではなく

保護した1匹1匹の世話の質を保つためにも

どこかに線を引かなければなりません。

 

いわば荒海を航海する船のようなもので

喫水線以上に荷を積んだら浮力を失い

船自体が沈んでしまう危険があります。

 

5年間毎日ブログを発信し続けて

痛いほどそのことを知らされました。

そして哀しみも喜びも

数と質とのジレンマのあわいにあります。

 

まさにmikaさんは

ご自身の愛護活動の喫水線を保つために

碧斗 織斗の2匹を青い鳥に移さざるを得ない

と思い決断したのです。

しかしその結果は

思わぬ事態となって表われました。

2匹をシェルターに預けた

1週間後・・・

 

2月27日

 

 スタッフLINE 
 

碧斗と織斗が吐血し、病院へ。

受診の結果

2匹とも「ストレス性胃炎」とのこと。
●碧斗くん
点滴 嘔吐止め 胃薬処方
●織斗くん

緑色嘔吐の為 点滴、注射
嘔吐止め、胃薬処方

mika:夕方スタッフさんのLINEに 

碧斗と織斗が吐血したとあり

国衙→病院→我が家へ戻りました。
環境が変わったためのストレスで

かなりの吐血だったそうです。
今は落ち着いています。

 

そして10日後

出産シーズンで青い鳥のシェルターは

次々と運び込まれる子猫たちであふれ

mikaさんはその子らを預かり

譲渡に全力を注ぐために

症状の落ち着いた碧斗と織斗を

再び青い鳥に戻すことにしました。

まさに喫水線を保つために

葛藤した末の決断でした。

しかし愛護活動に携わる人なら

誰もが味わう苦渋の場面です。

 

3月6日

 

 スタッフLINE 
●織斗君 ●碧斗君
預かりのmikaさん宅より

国衙猫シェルターに移動

 

やはり戻すしか止むを得なかったのか

と思いましたが・・・

いつもは別のLINEで

何かをメッセージするmikaさんが

珍しく何も発信しなかったのは

よほど辛い気持ちで

2匹を送り出したからなのでしょう。

 

その決断がまた

厳しい結果となって返って来たのです。

 

続く・・・

 

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