青い鳥に寄せられる連絡のうちで多いのは
「周南市の保健所にいる〇〇〇番の犬(猫)の
収容期限が迫っているので
何とか引き出してもらえないか」
という依頼です。
既に何度もお話ししておりますように
青い鳥は防府市の犬猫を助けるのに精いっぱいで
とても他市の保健所の子まで手が回りません。
死を目前にした犬猫の写真を見て
誰もが「可哀そう」と思うのは当然です。
しかし動物はモノではないので
一旦引き受けたら人手と経費が掛かります。
ですから「可哀そう」の気持ちを
どれだけ行動に移せるかどうかが大切です。
私たちだってどこの子でも
助けられるものならば助けて上げたい
と思っているので
青い鳥では無理であることをお話しした上で
こうお尋ねします。
「もしご自身で飼って下さるのなら
青い鳥で引き出してお渡しします」
ほとんどの方は諦めるのですが
稀に「自分で飼います」と言って下さる方も。
今回ご紹介する方も
悩まれた末に決断し実行されました。
5月6日
青い鳥に連絡がありました。
「周南市の保健所にいるオスの成猫で
鼻に傷のある子を引き出して欲しい」
という依頼です。
清水代表が応対し上のようなお話をしたのですが
「この子が殺処分されるのは忍びない。
何とかできないでしょうか」
と切なく訴えられるので
「ご自身で飼って頂けるのなら」とお伝えすると
しばらくの間がありました。
大概はここで諦められて電話を切るのですが
息詰まるような沈黙の後・・・
「わが家に迎えますのでお願いします」
ときっぱりおっしゃいました。
きっと亡くなられた飼い猫に似ているとか
よほどの事情がおありなのでしょう。
日本全国でこのように
各県の保健所の収容状況をウォッチし
心を痛めていらっしゃる方が大勢います。
市民の幸せに資する気持ちがあるならば
行政はもっと真剣に対応すべきです。
清水代表が早速周南市保健所に連絡し
その子がまだいることを確認して
引き取りに向かいました。
ご依頼者が電話でおっしゃったように
鼻に大きな傷があります。
まだ新しい傷なので
最近喧嘩して負ったのでしょう。
清水代表はこれまでの経験で
喧嘩っ早い猫はエイズに罹る率が
高いことを知っていたので
その場でご依頼者に電話をし
エイズ陽性の可能性が高いですが
それでも引き取って頂けますか?
と確認しました。
また しばらくの沈黙・・・。
思いもしなかったことでしょうから無理もありません。
それでも「お願いします」
という返事が返って来ました。
清水代表はこの時
「この方ならば大丈夫」と確信しました。
そして青い鳥に連れて帰りました。
ここまでが前半で話はまだ続きます。
年齢不詳の猫をマーブルと名づけましたが
全く人に慣れていずスタッフを威嚇するばかり。
病院で傷の手当てとワクチン接種をするとともに
去勢手術、爪切り、レボルーションを行いました。
血液検査の結果はエイズ陽性でした。
ご依頼者は関東にお住まいで
折からのコロナ自粛で移動が難しく
しばらく青い鳥で預かることになりました。
エイズ陽性の子ばかりの部屋に入れ
人に慣れないマーブルの世話は
さぞ大変なことだったでしょう。
7月23日
LINE
清水久仁子 :マーブルくん出発しました。
シェルターを出る前に撮影したのですが
狂暴で外に出せず良く撮れませんでした。
ご依頼者に静岡県から防府まで
新幹線で迎えに来て頂きました。
先ほど自宅に戻られてから
写真を送って下さいました。
そして数日経って
里親様からお便りが届きました。
📧
やっと
おもちゃで遊ばせるのに成功です。
嬉しくて!
さっきケージから出しましたが
私の用意したベッドはスルーし
母の座椅子が
お気に入りになったみたいです😍
家に着いてからもずっと
ケージの中で丁寧にお世話してもらい
ようやく慣れて
家族に迎えてもらうこととなりました。
シェルターでも全くなつきませんでしたが
里親様も相当悩んでおられたご様子です。
それが
顔つきも徐々に変わって穏やかになり
おもちゃにじゃれるまでになるなんて・・・!
きっと様々な悩みや葛藤を抱えながら
「自分で引き受ける」ことを選択された。
その決断が間違っていなかったことを
きっとマートくんが教えてくれますとも。
山陽小野田市O様/一時預かり様/兵庫県N様
/兵庫県M様/萩市S様より
私たちが「あいかつ」を続けて行けますように
どうかご支援をお願い致します。