Storyゆり4.苦難の道を歩いた犬━きっと笑える

おはようございます

もの言わぬ犬猫に代わって

かれらのStoryを綴っている内に

いつの間にか396回目になりました。

どれも思い入れの深い話ですが

かれらの近況を伝えるお便りが届いて

幸せな姿を見ると胸を衝かれ

Storyを読み返しては祝福しています。

 

そんな嬉しい年賀の便りを紹介する前に

その子がたどって来た苦難の道を

どうかお読みになって頂きたいと存じます。

コロナ禍で苦しんでいる私たちに

きっと元気を与えてくれると思います。

 

‘18年10月のブログを再掲載します。

(長いので数回に分けてお読み下さい)

 

 1.見送りは涙とともに 

 

’18年9月26日 6:30AM

山口県宇部空港

朝夕はめっきり涼しくなった。

北向きの風がやや強まって来たが

7:45羽田行きのフライトは予定通り。

3・5歳のメス犬

黒いロン毛の「ゆり」を

送り出す準備に追われていた。

 

シェルターから1時間ほど車に揺られ

空港で計量と手続きをする間

不安で排尿・脱糞をする犬が多い。

そのため前夜の食事は抜きにする。

でも「ゆり」は落ち着いていた。

これまでに辿って来た変転に較べれば

「何のことがあろう」といった顔つきで・・・。

ゆりとともに暮らした
シェルターでの日々を思い出しつつ
「幸せをつかむんだよ」と語りかけ
涙とともに送り出した。
 
***********
 
ゆりは’15年3月、港で
母犬と6匹の兄妹と一緒に保護されました。
👇これがお母さん やはりよく似ていますね。
そして4月26日に譲渡されて行きました。
まだ2か月のコロコロの子犬でした。
 
譲渡して3か月後に届いた
里親さんからのお便りが残っていました。
📧
名前は「ゆりちゃん」になりました。
川でたくさん遊ぶ子です。
でもその後のお風呂はキライです。
何でも興味があり、おてんばになってます。
どうすれば良いでしょうか?
森の中では虫にすぐ反応し、耳がすごい良いです!
ここでは、町では出来ない事を沢山経験できると思います。
川が大好きなので、これからも遊び疲れて眠ってほしいです。
夜さみしいって鳴いてるから。
 
その後お便りはありませんでしたが
2年後に突然電話がかかって来ました。
飼い主が
「仕事が変わって夫婦で寮に入ることになり
飼えなくなった。
もう引っ越しの準備をしているので
2~3日中に引き取ってほしい。
それが駄目なら保健所に連れて行く」
と言うのです。
 
人生に変転があり やむにやまれぬ
事情が生じることもある。
それは分かりますが
いつも犠牲になるのは動物たちです。
子犬の時から2年以上ともに暮らした愛犬を
保健所に連れて行く
というのはどう考えても理不尽です。
 
やむを得ないので
引っ越しの当日に引き取りに行きました。
既に家財は全てトラックに積み込まれ
飼い主は「お願いします」と言って
ゆりのリードを手渡し去って行きました。
 
あとに残されたゆりは
トラックの走り去った方向を見つめ
どうしても家を離れようとしません。
もう帰ってこない飼い主を
待ち続ける姿が哀れでした。
 
そして青い鳥に戻って来ました。
’17年6月27日です。
スタッフも居合わせたボランティアさん達も
2年ぶりに戻ってきたゆりに
「お帰り」と声をかけました。
とても人なつこい子で
パタパタと尻尾を振る姿が哀れです。
 
犬は言葉をしゃべれないけれど
飼い主に捨てられた悲しみを
じっと耐えている姿が私たちの涙を誘いました。
 
それから1年3か月のあいだ
ゆりは他の仲間たちと
シェルターで過ごしました。
人にも犬仲間にもフレンドリーで
じっとこちらを見つめる目が
いつも人間たちに何かを
語りかけているようでした。
 
 2.これからお風呂に入ります 

 

宇部空港から旅立ったゆりは

羽田空港で待ち受ける里親様に届き

無事を知らせるメールが送られて来ました。
 
9月26
📧
元気に羽田に着きました。
落ち着いています。

おやつ 手から食べてくれました。
自宅まで3時間ほどかかります
途中のSAで休憩中です。👇
ウンチとおしっこ、しました。
私の顔と手をペロペロしてくれました。

無事おうち着きました。
ちょっとドキドキ。よそよそしいです。

2匹の先住犬はゆりちゃんに無関心。
ゆりちゃんは少し遠慮している感じです。

ゆりちゃんこれからお風呂に入ります。

 
青い鳥 ゆり、久しぶりのお風呂です。
前の里親に捨てられた悲しい思い出を
きれいさっぱり洗い流して
幸せに向かって歩きはじめるんだよ。
 
翌日 9月27
📧
名前は「ゆりあ」ちゃんにします。
猫のウニちゃんがお世話係しています。
可愛いです。

 

9月28
📧
先住犬は遊びたくてお誘いしていますが
なかなか相手してもらえません😅
ゆりあちゃん、猫は見たことないのか
少し怖いみたいです😁
猫のほうは平気です👌

 

Instagramにもメッセージいただきました
 
はるばる我が家に来てくれた
ゆりちゃん改め、ゆりあちゃんです。
元気にしてます😊
猫ちゃんとも仲良くなれそうです😊
帰りたそうにお外を眺めていますよ😭
彼女なりにいろいろ考えている様子です。
シャンプーもできました。
ふわふわです🌟ツヤも出てきました。
先住犬があまり気にしていないので
大丈夫だと思います👌
すぐお家(青い鳥さん)に帰してもらえると思ってたのに
なかなか帰らせてもらえなくて
少し不安になってきているみたいです😅
 
青い鳥 ゆりは「ゆりあ」ちゃんになりました。
まだトライアル期間中ですが
幸せの階段を1歩1歩上り始めたようです。
ゆりあちゃん
あなたのお家は青い鳥ではなく
そこに落ち着けるといいね。
 
 
 3.新しい名前の優しさ 
 

飼い主に飼育放棄され

1年3か月のあいだシェルターで暮らした「ゆり」は

新しい里親様と巡り合い

新しい名前をもらいました。

「ゆりあ」ちゃん。

以前の名前と違って戸惑わせないように

という優しい心遣いのネーミングです。

 

そしてトライアルに出してから1週間。

ゆりあちゃんの生き生きとした動画が

送られて来ました。

 

10月

 

先住の2匹と一緒にお食事。

黒犬が3匹揃うと壮観ですね!

そしてお遊びタイム。

きっと前の飼い主に可愛がられていた

頃を思い出したんでしょう。

60匹ほどの成犬がいるシェルターでは

人手が足りず こんなふうには遊んでもらえません。

良かったねゆりあちゃん。

動物をとても可愛がるご家庭です。

猫も犬も楽しそう。そして人間も!

動物と暮らすと笑いが絶えませんね。

 

10月

📧

お世話になってます。ありがとうございます😊
「トライアル成功」でお願いします👌
お散歩も上手に歩いてくれてます。

帰りも率先して車に乗り

置いて行かれないように
はりきってお家に帰る様子をみたら
もう大丈夫かなって思いました。
ゆりあちゃんの元気な姿を
インスタに載せて行きますので
これからもよろしくお願いします❣
 
里親様
本当に 本当に ありがとうございます。
ゆり⇒ゆりあちゃんの笑顔と
嬉しそうに遊んでいる姿を見ることが出来
世話をして来たスタッフ一同
泣いたり 笑ったり しています。
 
* * * * *

 

そして今年届いたお便りです。

📧

明けましておめでとうございます❗️


ゆりあ3年目も仲良く元気です😊

今年も青い鳥さんの活動を応援しています❗️

 

最期までお読み頂きありがとうございました。

ゆりあちゃんもまた

コロナ禍を耐え忍んでいる私たちに

エールを送ってくれたのだと思います。

「きっと笑える」

そうですよね。

皆さんがんばりましょう!