Story小麦9. ソファーの上でも・・・やっと見つけた幸せの場所。

 

半年後越しのトライアル。

それは小麦にとってもスタッフにとっても

長い時間でした。

そして誰よりも

小麦を気に入り 人に慣らす訓練の間も

トライアルした時からも

辛抱強く諦めずに愛情を注いで下さった

里親様にとって

本当に長い時間だったことでしょう。

 

10月3日

 

3月5日にトライアルした小麦の
正式譲渡の報告が届きました。

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ご無沙汰しております。

遅くなりましたが小麦を

我が家の子供にしたいと思います。

これまでご心配、ご迷惑をお掛けして

申し訳ございませんでした。

小麦はまだまだ人馴れしてません。

散歩中人がいたり声が聞こえたりしたら

怖がって一生懸命に逃げようとします。

施設のような建物や子供や高い声などで

震え出し固まってしまうことがありますが

畑や人のいないところの散歩は好きです。

特に車に乗るのは大好きです。
これからも小麦が元気に早く人になれるように

愛情をかけて育てたいと思います。
家ではソファの上、夜はベットの上が

小麦の安住の場所で

その場所から自分で動こうとしないのが難点ですが

ご飯の時は喜んで

食べに来れるようになりました。

 

小麦ちゃん

やっと幸せの場所を見つけたね。

ソファーの上だって

シェルターにいたあの頃

いつもいじけて逃げ込んでいた

裏道に較べればずっといいよ!

おめでとう小麦。

やっと幸せをつかんだね。

あいかつは命のリレー。

小麦という怖がりのたすきを受け取って

何度か諦めようと思われたと想像します。

でも最後まで

たすきを離さずゴールした里親様に

心より感謝いたします。

 

 ◎  ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 

多くの自治体では
保護した犬や猫を
「譲渡不適合」という曖昧な基準で
殺処分に回しています。
しかもその期間は1週間ほど。

行政にはそれなりの理由があるでしょう。
多くの犬猫を収容する場所も
人に慣らす人手も時間も経費もない・・・と。

しかし人手と経費不足に悩むNPOが
殺処分に回される多くの犬や猫を引き取り

行くたびも紹介して来ましたように
数か月から何年もかけて
譲渡に結びつけていることを。

それを引き取って下さる里親がいることを。
どうか忘れないで下さい。

「命を大切に」と
青少年を教育するのと同じように
「命を効率で推し量らない」ということも
大人が率先して範を示すべき
大事な事ではないでしょうか。

小麦の例がそれを物語っています。
 

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