Storyペル2.「まあ可愛い」と少女は・・・

こんにちは。

《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。

 

犬も猫も生後数か月のかわいい盛りには

すぐに里親様が見つかりますが

成長するに連れて次第に貰い手が少なくなります。

欧米では大人の犬猫でも引き取られて行くのですが

日本では幼い子にばかり人気が集中するので

大人の犬や猫が里親様と出会うまでには

どうしても時間がかかります。

その上ハンディを持った子は更に・・・。

ですから

3歳で、片目の猫を、引き取って下さる方が

いるだろうかと心配だったのですが

幸運にも 保護されてからひと月くらい後に

里親様との出会いが待っていました。

 

‘15・5・28のブログより再構成

 

あるご家庭から「子猫が欲しい」とお電話をいただき

2ヶ月の可愛い子猫を3匹連れて伺いました。

そのお宅には小学生のお嬢さんがいらして

どの子猫も「可愛い!」と喜んで頂いたのですが

やはり子猫は好奇心旺盛でやんちゃです。

新築のピカピカのお家の中を

ドタンバタンと物を倒しながらお構いなく跳ね回ります。

???? ???? ????

猫を飼われたご経験のないお宅でしたので

これには驚かれ「うーん?」と首を傾げられました。

そこで

落ち着きのある大人の猫ちゃんをお勧めすると

「ぜひ会いたい」とのことでした。

でも その時は青い鳥で譲渡できる成猫は

片目の女の子だけでした。

そこで思い切ってこの子を連れて行きました。

 

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真新しい玄関でケージを開けると

3歳のメス猫が片目で見上げています。

果たしてどんな反応が返ってくるかと

ドキドキしていると

「まあ可愛い!」とお嬢さんの第一声です。

お嬢さんがとても気に入って下さったので

驚くほどすんなりとトライアルが決まりました。

「片目だから」というこちらの心配は杞憂でした。

こどもの汚れのない純真な眼って素晴らしいですね!

きっと猫の片目と少女の眼に

互いに引き合う何かがあったのでしょう。

メス猫はぴちゃぴちゃと美味しそうに水を飲みます。

その様子をお嬢さんが

頬杖をついて愛おしそうに見つめています。

「あ、これは大丈夫」と直感的に思いました。

マス猫の方も 驚いたことに

自分の尿の匂いも付いていない砂に座り

すぐにちゃんとトイレで用を足しました。

賢い猫ちゃんです。

(以前飼われていたことは間違いありません)

そして差し出されたフードを食べると

ピカピカのお家の中を探検し始めます。

片目のせいかゆっくりと慎重に歩き

子猫のように駆け回ったり物を倒したりしないので

ご家族にもとても喜ばれました。

さらに

用意して下さっていた寝床も気に入った様子で

猫ちゃんのほうも驚くほどすんなりと

このおうちに馴染んだようでした。

片目というハンディがあるので譲渡は難しい

という私たちの予想は良い形で裏切られました。

きっとこのメス猫は人を信じ

人に癒しと幸せを返していくことができるのでしょう。

 

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・・・と思い胸をなでおろした数日後

トライアル先から電話がかかって来ました。

お嬢さんがコンコンと咳をしはじめ
まぶたが腫れてかゆみが出た。
お医者さんに「猫アレルギー」といわれた。
というのです。
何ということでしょう。神さまは時に無情です。
初めて猫を飼う少女と
片目で生きのびたメス猫との
ステキな出会いを潰してしまったのですから。
 
続く・・・
 

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