おはようございます
《いっしょに 生きよう あおい鳥》
2年ぶりに届いた「月ちゃん」のお便り。
’16/8/7に2か月で譲渡した女の子で
その父親のことや姉妹のことなども
「どうしていますか?」と尋ねられ
過去の記憶と記録を遡っているうちに
当時の様々な出来事が蘇って来ました。
その全てを紹介していると切りがありませんが
もう1つだけぜひとも読んで頂きたいブログがあります。
月ちゃんの父親と推測される雄犬の
カッコイイ物語りです。
*’16/10/28 掲載
ちょっと大人のWan・Nyanカフェへようこそ。
シェルターには成犬や成猫がおおぜい暮らしてます。
子犬や子猫に較べ 里親さんに注目されることが少ないので
どうしてもシェルターで長く暮らすことになってしまうんですね。
(もちろん子犬や子猫は天使のように可愛いですが 笑)
でも ちょっと大人のWan・Nyanも
それぞれに個性があって、とてもステキなんですよ。
このカフェでは そんなWan・Nyanたちの魅力を
あれこれカクテルしてお出ししますので
ちょっと大人の味をお楽しみください。
🐶の物語りでは、よく英雄的なリーダーが登場しますよね。
高橋よしひろのコミック「銀牙伝説ウィード」とか。
ちょっと古いですかね。
ではエリン・ハンターの「サバイバーズ」はどうですか?
これは野良犬のラッキーを中心とした冒険ストーリーで
現在第4巻「嵐の予感」まで刊行(2016年5月)されています。
で・・・実は
ラッキーのように勇敢な経歴を持っている犬が
シェルターにもいることが分かって
みんな「ヘェー!」と驚いたんです。
第1夜 【港のクッキー武勇譚】
つい最近わかった話なんですが・・・
港の企業に勤めている方がカフェにいらして
こんな話をしていました。
👨 犬って群れて生きる習性があるじゃない。 港の野良犬たちがなかなか減らないのも、 いくつかのグループになって、それぞれにリーダーがいて、グループを率いてるからじゃないの。
賢いからね、リーダーともなるとさ。だから、そう簡単には人間に捕まったりしないんだよ。捕まるのは子犬ばかりで、成犬はさっと逃げてしまう。
でも、中には逃げずに子犬を守ろうとする母犬もいる。青い鳥の「あんこママ」みたいにさ。 俺、あんこママ好きだなぁ。人間だって育児放棄をする母親がいる時代だってのにさ、健気(けなげ)だよね。
👇授乳中のあんこママ
👨 それでさ、あの「あんこ」が港にいた頃に好きだったオスがいてね。誰だと思う? ――うん、いま青い鳥のシェルターにいるよ!
つい最近まで港の野良犬たちのボスだったのは、あいつ、ほら保健所に捕まって、青い鳥に保護された・・・黒犬の・・・そうそうクッキー!
ハハハそんなに驚いた顔するなよ。俺も青い鳥のブログ、ときどき読んでるからね。で、この前「成犬の身のうえ話」って記事が載ったでしょ。あの写真見て「あっ」と思ったのよ。
🐶クッキー(年齢不明オス)
港にいた子、としか分かっていません。
どのような身の上なのでしょう。
ケージの天井にぶら下がったりしてる
お茶目ボーイです!
👨 そうこれ。クッキー。え、なんで分かったのか? って、耳。左耳が垂れてるよね。それと口の周りが白っぽいでしょ。写真見てピーンと来た。あいつだ!って。どうりで最近見かけないと思った。青い鳥の世話になってるとはねぇ。
でもさ、甘味6の父親は残念ながらクッキーじゃないよ。もっと前に捕まってるからね。それ でさ、ボスといっても凄いんだ。俺が知ってる限りでは、これまでのどのボスよりも凄かった。え、どんなふうに?って、超モテモテでさ、その辺にいるメスはみんなクッキーに夢中だった。
あいつが姿を見せるといつもメスが寄って来て・・・餌を食べてる途中でも、あいつが来ると途端に餌を食べるのをやめて、そばに飛んで行くの。もうスター級の人気者でさ、犬ながら羨ましいと思ったものさ(笑) でね、俺も研究したの。どうしてモテるのか・・・。
聞きたい? まあまあ、焦るなよ。もう1杯、バーボン、オンザロックで。
・・・・・・・・・
え? ああ「どうしてモテるのか」ねぇ?――ブログにも「お茶目ボーイ」って書いてあったろ。そうなんだ、ボスだけれど、どことなく愛嬌があってね、偉ぶらないし、優しくて思いやりがあって・・・、例えば目の前に餌があっても、先ずメスに食べさせてから自分が食べる。そう、それ!「レディーファースト精神」の持ち主。
な、くやしいけど優しい男には勝てない、ってわけさ!それで今シェルターにいる「あんこ」も「りん」もクッキーに夢中で、クッキーが捕まるまで、ずっと傍にいたんだ。
りん(メス)👇
👨 クッキーのモテるわけが分かったろ。でもさ、優しいだけじゃボスにはなれない。タフでなければ・・・って、当然クッキーは強かった。またブログの話だけど、つい最近保健所から引き取った「ごま」とか「ソルト」とかいう成犬がいたじゃない。ああ、この写真。
ごま(オス)👇
👨 ごま。これはナンバーツーでクッキーの下にいたんだ。えっ!って、ほらまた驚いたろ? ごまも強かったはずさ。ナンバーツーでも群れの中では上位だからね。ほら、顔にいっぱい傷があるだろ。中にはクッキーにやられた傷もあるはずさ。
ソルト(オス)👇
👨 「ごま」と「ソルト」で「ごましお」なんて、青い鳥も結構ヤルー!って思ったわけ。ソルトは優しそうな顔してるし、調味料的な存在かな。目立たないけどいないと困る。だから「ごま」に合わせて自分も捕まったんじゃないか・・・と俺は推理してるんだ。
ま、冗談はさておき、「ごま」も傷だらけになりながら、港の犬の中でナンバーツーとして必死に仲間たちを守っていたんさ。クッキーもごまも味のあるいい顔してるよね?
ひょっとするとクッキーが捕まってから、ごまが群れを率いていたのかも? だとすると今のリーダーは・・・? って興味が尽きないわけよ。港の犬たちも必死にサバイバルやってるんだよなぁ。そう思うと、何だか人間ぽくてさ、身につまされるっていうか、愛おしくなってくるんだよね。あ、バーボン、もう一杯。
いやぁ面白い話でしたね。
青い鳥から巣立って行った子犬たちの中には
クッキーやごまの子がいたかも知れませんね。
「サバイバーズ」のラッキーと港にいた頃のクッキー
名前も似てますよね。
「サバイバーズ」は児童文学だから
気楽に(でも苦難の連続で手に汗握って)読めますよ。
小説のラッキーも現実のクッキーも
そして多くの野良犬たちも
過酷な境遇のサバイバー(生きぬく者)なんですね。
「港の野良犬」って簡単に呼んでるけど
彼らにも仲間や家族がいて、必死に生きてる。
それは厳しいもんですよ、野良の暮らしって。
だから
これ以上不幸な野良犬が増えないように
青い鳥も頑張ってるんですが・・・
いまだに港に飼い犬を捨てに来る人がいる。
信じられないけど それが現実なんですかね。
*次回はいよいよ
月ちゃんの里親様からのお便りと
クッキーたちの今をお伝えします。
私たちが「あいかつ」を続けて行けますように
どうかご支援をお願い致します。