おはようございます。
《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。
タイトルに「Story茶々」と書くだけで
万感の想いが込み上げて来ます。
いつか書こう。幸せを掴んだら書こう。
・・・と思いながら
どれだけの月日が流れて行ったでしょう。
茶々についての情報が・・・、写真が・・・、
ボランティアさんやスタッフの言葉が・・・、
雪のように降り積もって埋もれています。
その一面の銀世界を、美しい赤毛をゆらせて
嬉しそうに駆け回る姿が見えるようです。
茶々、おめでとう。
生涯の家族になる人たちと巡り合えたんだね。
第4夜 【誰が付けたか❛SEXYマドンナ❜】
???? なんか面白いことないかなぁ・・・こう、スカッとするような! え、音楽? そう言えばさぁ、最近ポップス聴かなくなったなぁ。若い頃は一日中聴いてても飽きなかったのに。親からよく叱られたっけ。「そんなもん栄養にならんぞ」って。ろくすっぽ食べなくてもロックやポップスを聴いてれば生きていられた。音楽が栄養になる時期ってあるよね。若い頃どんなの聴いてた?
えっ、ミヤコハル・・・ふーん若い時から渋かったんだねぇ。い、いいいんよ、趣味なんだから誰が好きでも。え、私? そうねぇ、マイケル・ジャクソンとかホイットニー・ヒューストンとか・・・どっちも死んじゃったけど。え、誰? !!!! ああ、聴いた聴いた。今でもセクシー、っていうか元気だよね、もう60近いでしょ。そう、ファンだったの? ・・・あ、この顔どこかで・・・
???? うん、スーパースターはわかってる。でもさっきシェルターで見た、この顔。ほらこれ!
???? ね、似てるでしょ。え、別の写真? どれどれ・・・
???? やだぁ、もぉ~。やっぱりそっくりだよ。ほら!
???? この子「茶々」って言うんよ。・・・年齢? まだ3歳になってないと思うんだけど。周南の保健所から引き出したんだって。’15年の12月頃。以下は清水代表の話ね・・・。
子犬を10匹引き出す予定で保健所に行ったら、いたんだって、この子が。子犬たちとは別に窓のないコンクリートの部屋に、檻の隅っこに。もう何日も前から閉じ込められてて、殺処分されると分かっていたんだね、隅っこでカチカチに固まってたって・・・。
その頃はまだ、青い鳥のシェルターも建設中で、成犬は引き出しても収容するスペースがなかったし、保健所の人も「この犬は人に慣れてないから」と話されたけど・・・、「噛まれる感じがしなかったからそのまま抱っこして、車のトランクに入れて連れて帰った」って言ってた。どうしても見捨てること出来んかったんだね。
で、まだ工事半ばのシェルターに保護したんだけど、人間をとても恐れてる様子で、ケージに入れても隅っこでじーっとしてて、なかなか人に心を開かなかった。これがその頃の写真。床に敷いた新聞紙を交換する際にも、じっと固まって動かない。下を向いたまま目を合わせようともせんかった。だからみな苦労してたんよ、最初はね。
???? あ、そうそう。来た時はオッパイが張ってたから「ママ」って呼んでた。それで保健所から一緒に引き出した10匹の子犬たちの内の、何匹かはママの子どもらしいって分かって来たの。そのことはブログ「南がゴーになるまでの132日」で紹介してる。
で、心は開かないんだけど、毛並みもすごく綺麗で、気品があって、赤毛の美人だったから「茶々」って名前を付けた。そう、秀吉の側室、後の淀君よね。凄い名前でしょ。
???? 茶々はね、シェルターで暮らすようになってからも、ずっと心を閉ざしたまま隅っこにうずくまってる。そんな状態が何か月も続いたわ。一度、殺されるかも知れんって恐怖を味わったから、もう心配しなくてもいいってことに、なかなか気づかなかったのね。で、子どもたちは次々に譲渡されて行ったけど、茶々母さんは「引きこもり」。 ずーっとこのままかも知れない、ってみなで心配してたんよ。
でも、いつまでもケージの中に閉じこもってては、いけんでしょ。だから、半ば無理やり散歩に連れ出したの。これがその時の写真。4月の末だから、5か月近くずっと引きこもってたんだね。かわいそうに。でも見て、ほら・・・
???? 久しぶりに外の風に当たって・・・、まだ表情固いけど気持ち良さそう。 「風立ちぬ」って感じでしょ。きっとこの時に茶々は「生きてていいんだ」って分かったんやないかなぁ。風の匂いで、そう感じたんやないかしら。やっぱり自然って凄いよね。大切だよね。
もう1枚あるんよ。この写真。どお? 茶々が「生きよう」と思った日。私が勝手に決めてるんだけどね、力が湧いて来てるようで・・・好きだなぁ、この顔。え、犬の気持ちが分かるんか?って。あたり前やない。分からん人の方がおかしいんよ。
???? 茶々、それからどんどん心を開いて来たんよ。固いつぼみが花開くようにね。ウワァ、こんな可愛い子やったんか、ってみんなで驚いたわ。世話をしてる私たちにとっては最高の瞬間。至福の時ね。もともと美形なところに、天真爛漫な性格が現れて来た・・・固くガードしてた殻が取れたって感じかな。それでね、散歩する時の後ろ姿が、尻尾をフリフリしてとってもセクシーなんよ。それで付いたキャッチコピーが「SEXYマドンナ」。動物愛護団体としては、随分飛び跳ねたネーミングよね。これは 茶々とハナが遊んでる動画。赤い毛並みが揺れてほんとセクシーだから、じっくり見て。
???? ね、躍動感があって、命が輝いてるようでしょ。 え?スーパースターで、もう少し話しておきたいことがある?
――19歳で田舎町からニューヨークに出て来た。歌とダンスと35ドルだけ持って。
う、カッコいいね。え、彼女の言葉も聞きたいか? うん聞かせて。
――楽なものは求めてはいない。楽なものは自分を成長させない。楽なものは自分を考えさせてくれない。
うわぁ、力強いね。うちの茶々にも聞かせてやりたいなぁ。茶々も十分以上に苦しい思いをして来たんだし、これだけの美貌と、優しさと、無邪気さの、トリプルを兼ね備えたスパースターで、凄いポテンシャルを持ってる子なんだから、いつか里親さんに巡り合って、きっと幸せをつかむはず・・・わたしそう思ってるんだ。
さて、ここからまたStoryが始まります・
続く・・・