Story エイズ陽性4.元気になぁれ盲目の「元」

おはようございます。

《あかるく、あいかつ、あおい鳥》です。

 

人からよく質問されます。

「どうして青い鳥では

病気の子や怪我をした子を

引き取るのですか?」

 

それにはいつもこう応えます。

「私たちが引き取らなければ

直ぐに殺処分に回されてしまいます。

たとえ生存の可能性が低い子でも

できる限り手を尽くして生かしてやりたい。

それでも生きられないのだとしたら

ガス室ではなく

人間が看取ってやりたいのです」

 

 

○●○●○ 今年7月3日 ●○●○●

指が4本失われている猫

 

保健所から連絡がありました。

収容した猫の中で体調の悪い子がいて

センターに送らなければならないから

迎えに来てほしいとのことでした。

この子を引き取り すぐに病院に連れて行きました。

 

左手の指が4本とも無く、親指しかありません。

交通事故によるものか、切断されたのか?

 
ぐったりとして元気がありません。
捕獲された時も、うずくまって動かなかったようです。
この子にいったい何があったのか分かりませんが
「元気になぁれ」と願って「元」と名づけました。
 

○●○●○ 7月6日 ●○●○●

エイズ陽性とシラミ

 
元は去勢手術をする際に
血液検査でエイズ陽性とわかったので

 隔離部屋に入れることになりましたが・・・

シラミがいっぱいたかっていて
他の子にシラミを移してしまう心配があります。

 

シラミはノミやダニよりも厄介で

卵はシャンプーでもレボリューションでも落ちません。
成虫を駆除しても卵が残っていることがあるので

毛をすべてカットして 生え変わるまでは

警戒しなければならないものです。

しかし

元は心身ともに弱っているようなので

シラミ取りシャンプーやカットはすぐには出来ません。

 
仕方がないので 幸とモコに駆除剤をさし
隔離部屋の床にシラミ用の殺虫剤を散布して
元はしばらくケージの中で過ごすことにし
隔離部屋に入れましたが・・・

毎日ウエットティッシュで床を吹いたり

元のベットをこまめに洗濯するなどして

慎重に様子を見なければなりませんでした。

 

○●○●○ 7月8日 ●○●○●

目が見えていないのでは?

 

元の世話をしているうちに

この子は目が見えてないのでは?と思うことがありました。
ケージの中でもじっとして動かず
ケージから出した時も
そろそろと周りを探るような様子をしていました。
早速病院に連れて行き診てもらいました。

 

診察の結果・・・

光は感じているけれど 目の奥に色素沈着があり
見えにくいのは確かだろう。
眼圧も高めだが、緊張からかもしれないので
環境に慣れてからもう一度計りたい。
目が見えない兆候として
餌の置いてある場所が分からない
頭上から物を落としても見ない
高いところから落ちる
等があるかどうかを観察することになりました。
 
また
目やにがあるので点眼薬を1日2、3回さす。
シャンプーは去勢の傷が癒える来週までは不可。
環境に慣れるまでケージの外に出さないで。
と指示を受け 次週に再診することになりました。
 
捕獲された時 うずくまって動かなかったのも
いつも大人しくじっとしているのも
目が見えず 餌を食べることが出来ず
体が衰弱し もう限界だったのかも知れない。
・・・そう思うと哀れさがつのります。
よくここまで生き延びてきたものです。
 
元は診察中も とても大人しくしていましたし 
1日数回の点眼も、ケージへの移動も楽でした。
見えないからか、弱っているからか、分かりませんが
とても大人しくて静かないい子です。
 
 

○●○●○ 11月20日 ●○●○●

現在の元は・・・

 

元が青い鳥に来てから約5か月過ぎます。

エイズ陽性の隔離部屋には

幸、モコ、パール、元、グレーの5匹がいましたが

パールが10月24日に譲渡されて行き

モコが11月17日に天国に行き

今は3匹でおだやかに暮らしています。

 

元くんの印象や今の様子を

スタッフやボランティアさんたちに聞いてみました。

 

ヨーコ:元気よく明るくなってほしいので『元くん』と名づけました。瞳孔の縮小や拡大はしますが、ほとんど目が見えていないと思います。でも、ご飯やトイレはできています。時々、トイレは失敗はしますが・・・。

抱っこもできますが、固まっています!自分で椅子の上に上がることもできます。また、同室の幸ちゃんが、元くんに優しく寄り添ってくれるのが嬉しいですね。
 
アーさん:元さんが隔離部屋に来たはじめの頃、元さんのケイジを開けて掃除を始めたら、モコちゃんが元さんのケージに入ってフードを食べてました😆 同じフードなのに・・・😅 でも元さんは怒らずにじっとしていました。
野良の頃もそうだったのでしょう。野良のままだったらきっと生存競争に勝てなかったでしょうね。青い鳥に来て良かった!
目が見えないので、声かけしながらさすってあげます。でも鼻はきくようで、ちゃんと砂のトイレで用を足します。 
昼間はほとんどジットしていて、手のかからないいい子です。
 
さっちー:元くん、本当に目が見えてないのかなぁ?と思うほど部屋を動いてますし、椅子もお気に入りで、よく上がって寝ています。
トイレも普通に行ってます!カツオの缶詰めも好きで、目の前においてあげるとぺろりと食べてます😋🐱
 
とと: へ〜元くん歩くんだぁ😅 私が見に行ったら全然うごかない〜。
ふさふさしてるからクッションと間違えて座ってしまう所だったよ😱
 
元にどれくらい外の世界が見えているのか
今もよく分かりません。
視覚は失われているのかもしれません。
でも元には
嗅覚も聴覚も触覚も味覚も残っています。
残った4つの感覚で一生懸命に生きています。
 
写真ではこんなに厳しい目つきをしていますが
外の世界をけん命に探っているからだと思えます。
でも内面は 世界を受け入れているような
落ち着いた静けさを感じます。
 
元は陽性というだけでエイズを発症していません。
元を引き取ってそばにおき
ともに静かに暮らせる人が現れたならば
きっとこの眼は湖のように
静かな色と光をたたえるだろう
・・・そう思っています。
 
○●○●○ 11月23日 ●○●○●

また1匹 エイズ陽性の子が

 

9月5日に保健所から引き取った子猫3匹のうち

1匹が血液検査でエイズ陽性とわかりました。

 
「白」 現在4か月ほどの男の子です。

白くんは 今

一時預かりのボランティアさんのお宅で

暮らしています。
室内でストレスの少ない環境で育てられれば
白もエイズを発症せずに長く生きる可能性があります。
他の陽性の子たちも みんなそうです。
私たちはその可能性に賭けてあげたいのです。
 
続く・・・
 

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