青い鳥文庫3.ビューティフル・ジョー

おはようございます

《あかるく あいかつ あおい鳥》

 

読書家でボランティアのランさんに

「またお薦めの1冊を教えて」と頼むと

しばらく考えてから

「青い鳥が作ったポスターで

“人にやさしい町は 動物にもやさしい”

っていうのがあったでしょ。

 

あのコピーと同じようなエンディングの

本があるんだけれど」

と言って紹介してくれた1冊です。

 

世界に動物愛護の気持ちを植えつけた

記念碑的な児童文学作品

「ビューティフル・ジョー」
マーガレット・マーシャル・サンダース
(東川恭子=訳 徳間書店 2003年)
 
chiro ラン
 1893年にカナダで書かれ
「動物愛護」のシンボルとなった児童文学作品。
実話をもとにしていますが
重い内容にもかかわらず軽やかに読めます。
 
* * * * *
 乱暴な飼い主に虐待され
両耳と尻尾を切断された犬(ジョー)が
こころ優しい一家に救出され
幸せな生涯を終えるまでを
ジョーの視点と語りで描かれています。
 
耳と尻尾のない不格好なジョーを
「ビューティフル」と呼んでいつくしむ家族を中心に
この家やご近所で飼われている他の犬
猫、馬、鳥などもいっぱい登場します。
当時はまだ動物たちは乱暴に扱われていて
今なら虐待といわれるようなことが
平然と行われていました。
でもジョーを引き取った一家は
どんな動物にもやさしく
動物たちのケガや病気を親身になって看病します。
特に長姉ローラの心根のやさしさが
全編にあふれていて
読んでいるだけで自分もやさしい気持ちになれます。
また動物と人間がいっしょに暮してゆくためには
きちんとした「しつけ」も大切なことが
時にユーモアを交えながら描かれています。
 そして最後に、ローラが暮らす町が
動物愛護のモデルタウンとなったことが
ジョーの語りで明かされます。
  ここが有名になったのは、“動物たちにやさしい町”ということだけではない。動物にやさしくするという考えがほかの分野にも影響を与え、いろんなことが起こっていったからだ。
 人間の下で生きる動物たちを大切に扱うようになると、動物だけでなく人間にも思いやりを持って接する人が増えてきた。そしていつのまにかこの小さな町は、理想的な学校がある理想的なコミュニティーとして、また経済も宗教もすばらしく調和が取れている模範的な町だと、国じゅうに知られるようになった。
 おかげでたくさんの人が自分の子供をこの町の学校に入れようと移住してきた。
 
この作品は18か国語に翻訳されて
世界中で読まれました。
今から120年も前(日本は明治26年
日清戦争がはじまる前の年)に
「動物は人間と共に生きる仲間」であることを訴え
世界の多くの子どもたち大人たちに
動物愛護の気持ちを植えつけた
記念碑的な作品です。
訳者・東川恭子さんは
あとがきでこう述べています。
  飼い主に苦しめられ、傷ついてのた打ち回るジョーの境遇に共感して涙を流した子供は、きっと他人の痛みがわかり、誰にでも寛大な心を育んでいける大人に成長することでしょう。
  そういう分け隔てない心を持った大人が、やがて民族間や国家間の対立の緊張を解き放ち、平和な人間社会を築いていく地の塩となっていくのではないでしょうか。

 

青い鳥がブログで述べているように

「動物愛護」はおセンチな人の活動ではなく

今の社会にはびこっている

いじめ・虐待・パワハラ等と根っこが同じの

「社会問題解決」と同じ道であることを

120年も前にこの本が訴えています。

子どもの頃の教育と体験が

いかに大切か。

また動物と一緒に暮らすことで

子どもの情操が育まれることを教えてくれる

記念碑的な作品として

ぜひお子様と一緒にお読みください。

 

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